「EVは維持費が安い」とよく言われますが、実際にどの項目がいくら下がり、どの項目が上がるのか。この記事ではEVとガソリン車の維持費を項目別に並べて整理します。

この記事のポイント

  • 電気代はガソリン代の約1/3〜1/2が実態
  • 年1万km走行で年5〜10万円の差
  • 充電プラン最適化でさらに下がる

こんな悩みはありませんか?

  • EVで本当に安くなるのか半信半疑
  • 自宅充電と外充電でどれだけ違うか知りたい
  • 年間いくら節約できるか計算したい

→ この記事で順番に解決します。

【一覧】EVとガソリン車の維持費比較

項目 EV ガソリン車
燃料費 安い(電気代) 高い(ガソリン代)
自動車税 優遇される 排気量に応じた課税
エンジンオイル交換 不要 年1回程度必要
オイルフィルター 不要 必要
スパークプラグ 不要 必要
タイミングベルト 不要 必要(車種次第)
ブレーキパッド 摩耗が減る傾向 定期交換
車検 必要(項目は減る) 必要
タイヤ 車重次第で摩耗が早い場合あり 標準的
任意保険 車両価格が高いと上がる 車種次第
バッテリー 保証期間外の交換は高額 3〜5年で交換(安価)
充電設備 初期費用が必要 不要

下がる項目|エンジン関連が丸ごとなくなる

EVで維持費が下がる最大の理由は、エンジンという機構がないことです。エンジンオイル、オイルフィルター、スパークプラグ、タイミングベルト、これらのメンテナンスが不要になります。

オイル交換だけでも年1回で数千円から1万円程度。10年で10万円前後の差になります。車検の点検項目も減るため、整備費用が下がります。

回生ブレーキでブレーキパッドの摩耗も減る

EVは減速時にモーターで発電する回生ブレーキを使うため、物理ブレーキの使用頻度が下がります。ブレーキパッドの交換周期が長くなる傾向があります。

燃料費の差は年間10万円規模

月1,000km走行の場合、EVの電気代は約5,000円(電費6km/kWh・単価30円)、同条件のガソリン車は約14,583円(燃費12km/L・175円/L)。年間11万円以上の差になります。

詳しい計算はEVの電気代は月いくら?計算式とガソリン車との差を試算で解説しています。

上がる項目|見落としやすい3つ

1. 充電設備の初期費用

これは維持費ではなく初期費用ですが、EV固有の出費です。200Vコンセントで総額5万〜15万円。2026年度は戸建て住宅も国の補助対象(上限5万円)です。

V2H充放電設備にする場合はさらに高額になりますが、電気代削減と停電対策のリターンがあります。

2. タイヤ代

EVはバッテリーを搭載するため車重が重くなりやすく、タイヤの摩耗が早くなる場合があります。また車種によってはタイヤサイズが大きく、1本の単価が高くなります。

3. 任意保険料

車両価格が高い車種は車両保険料も上がります。また修理費用が高い車種は料率クラスが高めに設定される場合があります。

バッテリーの扱いをどう考えるか

EVで最も不安視されるのがバッテリーの劣化と交換費用です。

多くの車種でメーカーが長期の保証を設定しています。保証期間と保証内容(容量が何%以下に低下した場合に対象になるか)を購入前に確認してください。

保証期間内に乗り換えるサイクルにすれば、バッテリー交換のリスクは実質的に避けられます。逆に長期保有を前提にするなら、保証切れ後の交換費用を織り込む必要があります。

リースならバッテリーの劣化リスクを負わない

カーリースは契約満了時に返却するため、バッテリーの劣化や中古価格の下落を自分で抱えずに済みます。残価保証オプションを付ければ、査定額が想定を下回っても追加負担が発生しません。

EVは技術の進歩が速く、数年後の中古価格が読みにくい商品です。この不確実性をリース会社に持ってもらう設計は、EVでは特に意味を持ちます。

補助金を含めた実質負担

維持費の話とは別に、購入時のCEV補助金が実質負担を大きく下げます。

車種 CEV補助額(2026年7月時点)
トヨタ bZ4X 130万円
日産リーフ/アリア 129万円
テスラ Model 3 / Model Y / Model Y L 127万円
日産サクラ(軽EV) 58万円

※上限額と交付額は別物です。車種ごとの金額はNeVの補助対象車両一覧で確認してください。

2027年1月1日以降の登録分は減額される見込みとされています。また東京都のように上乗せ補助がある自治体では、国と合算で最大260万円になるケースもあります。

結論|どこで判断が分かれるか

条件 EVが有利になるか
自宅で深夜電力を使って充電できる 有利
年間走行距離が多い 有利(燃料費の差が拡大)
補助金の対象車種を選べる 有利
自治体の上乗せ補助がある地域 有利
自宅充電の設置が難しい 不利
年間走行距離が少ない 不利(設備投資を回収しにくい)
長距離移動が多く急速充電に頼る 不利

判断の分岐点は「自宅充電ができるか」と「年間走行距離」です。この2つが揃えばEVの維持費メリットは明確に出ます。逆にどちらも成立しないなら、ガソリン車のほうが合理的な選択になります。

よくある質問

EVの維持費はガソリン車より本当に安いですか?

燃料費とエンジン関連のメンテナンス費が下がるため、自宅充電ができる前提なら安くなります。ただし充電設備の初期費用とタイヤ代は考慮が必要です。

バッテリー交換はいくらかかりますか?

車種と時期で変わります。多くの車種で長期保証が設定されているため、保証内容を確認してください。

車検はEVのほうが安いですか?

点検項目が減るため整備費用は下がる傾向があります。ただし法定費用(重量税・自賠責)は車重と期間で決まります。

リースだと維持費はどうなりますか?

自動車税・車検・メンテナンスを月額に含められます。電気代・駐車場代・充電設備の費用は自己負担です。

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まとめ

EVは燃料費とエンジン関連のメンテナンス費が下がり、自動車税も優遇されます。一方で充電設備の初期費用とタイヤ代は考慮が必要です。

判断の分岐点は「自宅で深夜電力を使って充電できるか」と「年間走行距離」の2点です。この2つが揃えばメリットは明確に出ます。

車種別の補助額はEVカーリースの補助金一覧、充電設備の費用はEVの自宅充電設備の設置費用と補助金で解説しています。

※本記事は2026年7月時点の情報をもとに作成しています。金額は条件により変わります。